オフショア開発の現状について
オフショア開発、というとどのようなイメージを持たれるでしょうか。
IT開発現場において一般的になってきたと思われるこの言葉も、「オフショア開発」と聞いただけで拒否反応をおこす方もいると思いますが、平成27年1月に経済産業省が公開している資料「IT人材を巡る現状について 」出典:IT人材白書(情報処理推進機構)によると、2007年以降は1千億円程度であり、いまだに衰えていないことがわかります。
ではオフショア開発として近年注目を浴びているベトナムはどの程度を占めているかを調べてみると、1位は中国、2位はインド、そしてベトナムは3位となっています。
出典:IT人材白書(情報処理推進機構)
ベトナムは親日であることや、技術者を安価に調達しやすいことから、最近は中国からベトナムへ流れている感覚ですが、実際のデータと比較してみると、まだまだ中国が主流であることが分かります。
オフショア開発の直接的なメリットは開発コストの低減、および開発リソースの確保のしやすさがあげられます。
これは文字にする以上にダイレクトにプロジェクトを開始出来るかどうか、に影響します。
日本のIT開発の現状は、開発したいけれどリソースがない、リソースは確保したけど利益が出ない、という状況に陥りがちですが、オフショア開発を利用することで要員を用に確保することが可能となり、またコストもある程度コントロールすることが可能です。
ではデメリットは、、、と言っても、様々な失敗事例がネット上にたくさんありますので、いちいち紹介する必要もありませんが、端的に言うとマネジメント不足と文化の違いが原因だと考えてます。
1.マネジメント不足
どうしてマネジメント不足が原因なのでしょうか。
それは、開発経験の少ないベトナムの開発会社と、何でも出来ると思って仕様を伝達する発注会社の両方に原因があります。
発注側は只でさえも距離が離れているベトナムの開発会社に仕様を伝えるのが困難であるのに、その開発を請け負う会社がプロジェクトマネジメントを含む、開発経験が未熟であることが多いため、誤った仕様理解のまま製造が続くからです。
また製造に対するテスト観点、テスト方法が明らかにレベルが低く、データベースを利用するシステムの場合、異常系も含めてデータを正しく保存できません。
オフショア開発ならでは、の問題ですが、
Quality
に対する意識の差が明らかに違います。
品質に対する取組が書面化され、手順化され、正しく運用されてるかどうかではなく、1つ1つの機能、データに対する注意力の払い方が異なります。
小数点第一のデータを、桁落ちすることなく保存できるか?なんていう低レベルな問題にぶち当たることもあります。
また問題を指摘すると大変だから出来ない、とあっさり伝えてくるプログラマもいます。
プライドにかけて絶対に解決しよう、という気概を持ったプログラマはほとんど見かけたことがありません。
そのため日本人と同じ感覚で仕事を依頼すると、かなり高い確率で失敗します。
これだけ良いことがほとんど無い中で、しかしそれでもオフショア開発は避けられない道である、と考えています。
一昔前のwindows上で動作するクライアントサーバ型の開発は、だいぶ廃れてきましたが企業ユーザにおいてはまだまだ健在です。
そのような開発を行いながらキャシュを稼ぎ、新事業として新しく人員をWeb開発に割り当てて開発を行う、というのはかなりギャンブルです。
もしかすると何もしない方が良いかもしれません。
その解決策として、オフショア開発をうまく利用する必要が出てきます。
すべてをオフショア会社に丸投げするのではなく、要件定義、基本設計、DB設計、テストケース作成を含めてドキュメントは日本側で責任をもって完成させ、開発のみをオフショア開発で行う、ということです。
実現したい内容を将来の拡張を含めて実装できる言語を選択すれば、無駄な学習コストを掛けずにプログラムが出来上がります。
そして出来上がったら日本側で単体テスト、結合テストを入念に行い、ドキュメントを整備して、ソースコードを理解出来る形にまで持って行きます。
こうすることで、実現したいサービスを比較的安価に速く実現できるようになります。
オフショア開発を1つのソリューションとして使いこなせるかどうか、それは下請けとして単なる開発会社として見るか、開発部隊の一部として見るか、にかかってくると思います。
弊社はオフショア開発に関する様々な事例を経験しておりますが、もともとはウォーターフォール型の開発経験が多く、品質を担保しながら最終的なシステムを作り上げるノウハウを提供出来ます。
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